2016年8月
※2016年8月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。
〇~8月31日
・統計を取り続けた。
※注:続けるうちに、こういう日足の銘柄はデイトレでは中々取れない(一時的な騰落だけで続かない。大きな騰落が起きて注目しても、翌日にはボラが出てきづらい)ということが、記録を付けることを通して学習していった。毎日毎日、新興銘柄の日足及び5分足を見続けていたことが、無意識の内にある知識として積み上げられていったのは確かであった。

・やはり、取れるのはこういう日足の銘柄。

チケット転売反対問題について
前回、チケット転売市場の話をしました。その関連として、今回は投機家として衝撃を受けた話をします。
2016年の8月に、こんな新聞広告がでかでかと出て、大きなニュースにもなりました。

社会的影響力がある多くの人達が、この広告に様々な意見を述べていました。
でも、転売サイトの一利用者かつトレーダーである私が感じたのは、「はあ?何言ってんだ?明らかにズレてるんだが……」という違和感でした。
※唯一人、チケットストリートの西山社長だけが、事実に基づいた正論を淡々と述べ続けていました。心無い群衆からは、マッチポンプだと一方的に袋叩きにされていましたが……。
で、この社会的影響力のある偉い人達は、実際のチケット転売市場を自分の目で見たことがあるのか?
そもそも、一方的に悪役にされてる、組織的にチケットを買い占めてるチケット転売集団ってどこにいるんだ?
私が転売市場を利用してきて思ったのは、「チケット転売をしているのは、その大半がファンだな」というものだったんです。
確かに個人の転売屋と思われるユーザーもちらほらいるけど、大半はついでに転売してるファンだなと。
そして、このついでに転売してるファンが専業転売屋を淘汰してるんだなと。
※これはどういうことかと言うと、ついでに転売してるファンは、神席が当たったとしても、チケット代やグッズ代などがペイ出来ればいいような価格に設定するため、専業転売屋もその価格設定の影響を受ける(例えば、それまで専業転売屋が神席を5万円で売っていたのに、ついでに転売するファンが神席を2万5000円で売るようになったら、前者はその影響を受けて売れにくくなる。つまり、ついでに転売してるファンが専業転売屋の利益を圧迫することで、チケット転売の旨味をなくし淘汰している)。
これが嘘だと思うんだったら、実際にチケットキャンプなりチケットストリートなりの相場を自分の目で見てみれば分かると思います。その上で、非難の対象になってる転売集団って、一体どこにいるのか(どこで利益を出してるのか)教えてもらいたいものです。
更に言うと、私は実際にチケット転売をやろうかと検討したことがあります。でも、やめました。なぜなら、ビジネスとしてやるには余りにも馬鹿馬鹿し過ぎたからです。個人の副業でやるならまだしも、人を雇ってまでやることでは絶対ない。まず人件費がペイ出来ない。
例えば、チケットが4枚当たったとして、1万円のプレミアを付けて売ったとします。でも、そこからファンクラブの年会費を払って、チケット発行のために手数料や送料を払って、更に転売サイトにも手数料・送料を払って……。しかも、高く売れる神席が当たるかどうかも分からないし、その神席はファンの間でも争奪戦になり、ついでに転売する一部のファンが転売の競合相手にもなるという。
ビジネスとして考えたら、余りにも馬鹿らしすぎる。これを組織的にやるって、絶対割りに合わねえだろ……。コンビニでバイトした方が絶対効率いいだろと……。反射的に転売屋を叩いてる人達が、この程度の概算すら出来ないってことは、少なくとも自分でビジネスをしたことはないんだろうし、どんだけ貧乏なんだ……。
しかし、社会的影響力がある知識人だけでなく、大新聞までもが、転売を組織的にやってる存在がいるという陰謀論を前提に記事を書く始末……。
社会や群衆のレベルって、この程度なんだなと。市場原理のメカニズムすら知らない人が新聞の記事を書いている。そして、自分でそれを見たわけでもないのに、都合良くそれを信じる群衆。
世界恐慌のとき、リバモアを初めとする投機家は、現代日本の転売屋のような感じで石を投げられたんだろうか?
この件で私が得た最大の教訓は、実際に自分の目でその相場を見ないことには、ニュースや偉い人の言葉であっても信じてはいけないということです。
例えば、これからの日本では不動産価格が暴落すると言われてますが、どれだけ偉い人がそう言ってたとしても、新聞やニュースに出ていたとしても、自分の目で実際の相場を見てみないことには何も分からない。そして、知らない相場には、素人は絶対に手を出すべきではない。
※私も、チケットを買い叩くことは出来ますが、転売市場で利益を出すスキルはありません。株でもそうなんですが、日経平均がどうなった・どうなりそうだという記事は誰にだって書けます。でも、具体的にどの銘柄をどのタイミングでエントリーしてどこで利食い/損切りすればいいのかという情報(=利益を出す情報)はまず表には出てきません(情報だけではトータルで利益が出せませんがね)。そのマーケットを知っているのと、そのマーケットから利益を出せるかどうかには、とてつもない差があります。だから、転売市場で利益を出せるのは凄いスキルだと思います。
~追記~
更に言うと、この事案は「噂で買って、ニュースで売れ」の最たるものだったと思います。
このニュースが流れたとき、「ライブは成長産業である」というコンセンサスが形成されていました。
でも、私は「いや、そもそも、その前提が怪しくなってきてるんじゃ……」と思ったんですね。だって、もし本当にライブが儲かってしかたないんだったら、わざわざこんな広告を出す必要ないじゃないですか。
現に、テレビによく出ているような人気アーティストであっても、一般販売終了にならないケースが増えてるんです。そして、転売市場においても、チケット価格がそれほど高騰しない。一部のアイドルはともかく、高額転売しなければライブに行けないアーティストはほぼ皆無なんじゃないかと思います。
その原因の一つとして私が思っているのは、音源が売れなくなってる影響でアルバムのリリースが少なくなる一方で、ライブが増えていることです。その結果、セトリがマンネリ化してきている。これは多くのアーティストのファンの間でよく言われていることです。こういうことが効用の減少に繋がっていて、ライブグッズとかが売れなくなってきているんじゃねえんかなと。
もしも「音楽ライブ産業」みたいな銘柄があったら、この広告記事が出た時点で、空売りを仕掛けるとまではいかないまでも、買い玉は全て決済しておいた方がいいだろうな的な。これはなんかおかしいよなと。
だから、あの広告を見て、「ライブは成長産業なんだな。転売屋は死ぬべきだ!」って反応をしたんだったら、絶対に株とかやらない方がいいです。
~追記2~
ちなみに、高額転売をなくす一番良い方法は、チケット販売側がオークション形式で売ることです。これは総余剰の最適化をするにはオークションしかないということで、経済学的には自明です。
※ただし、これだけでは転売そのものはなくならない。なぜなら、行けなくなった場合に売りたい人が必ず現れるため。しかし、転売屋が取れるサヤが消失するため、高額転売は圧倒的に減る。ではなぜ、販売側はオークション形式でチケットを売らないのかというと、①定価で撒くことで安定した売上が見込める、②定価で売るよりも高額になったら社会的にバッシングを受けるリスクがある、③システムを構築することにコストが掛かる、④その他利権の問題(著作権料の支払いなど)など、複数要因が考えられるかと。つまり、オークション形式にすれば、確かに高額転売そのものは減るが、販売側にもリスクがあるから導入しない(高額転売を減らすリスクにコストが見合っていない)。
※なお、顔認証システムの導入などで高額転売を規制しようとするのは、そのコストが価格に転嫁されることになるため、ユーザーからすれば百害あって一利なしなんですが、よく支持されています。これは、ユーザーの利益を建前にしているだけであって、その実は、ファンクラブ(チケット優先購入権)による固定収入を守るためのものだと思います。ファンクラブを通して買えるチケットの金銭的価値は、”定価+ファンクラブ年会費”です。この年会費の部分を守るために、ユーザーの利益を建前にして、チケット転売反対を唱えているんだと、私は解釈しています。
オークションの導入が無理だったら、高額転売を減らすには、消費者側が賢くなるしかないんですよね。となると、学校教育の時点で金融教育・IT教育を徹底して情報弱者を撲滅するしかないかと(もしも、ガチのIT教育をしたら、違法ダウンロードするユーザーがとんでもなく増えるでしょうが)。
結局、カモにされる情報弱者が感情をコントロール出来なくて馬鹿みたいな価格で買ってしまうから、高額転売がなくならないわけで。でも、こういう人達がいるから、転売屋がメシを食えて、経済が回っていくんですよね。結局、騙される奴が全て悪い。資本主義社会で生きている以上、自業自得・自己責任。私だって1回転売屋にぼったくられたわけで。騙されたら学習して、向こう側に回ればええんです。
それと、チケット転売を含めた市場での自由取引を規制しろと騒ぎ立てる人達は、規制すればするほど自分達が馬鹿になっていくってことを理解しているんだろうか?一部の情報弱者の所為で自由取引を規制する羽目になって、それで被る社会的コストをちゃんと理解しているんだろうか?
この問題の滑稽な所は、音楽業界的には「ファンが悪い」「ファンがついでに転売してる」なんてことは口が裂けても言えないことにあります。だから、ありもしない転売屋集団というのをでっちあげて叩く必要があるわけですが。果たして、音楽の未来を奪っているのはどちらなのか?
私は市場原理が全て正しいとは思ってないですし、もしも生活必需品で転売問題が起きたらすぐに規制すべきだと思います。でも、たかがエンタメチケットの自由取引を規制するなんて余りにも馬鹿げている。
私は、これからもずっと転売サイトを使い続けます。ファンクラブやプレイガイドに余計な手数料を払っても確実に良席をゲット出来るとは限らないんだったら、転売サイトや転売屋に小銭を払って良席をゲットした方が絶対良いわけで。ユーザーの利益を考えたら、転売に対しては徹底的に「YES!!」の姿勢でいた方が良いですよ。自由取引はユーザーに利益しかもたらさないんで。ユーザーのためを装いながら、ユーザーの利益を狡猾に誘導してることに気付いた方が良い。
もしも転売自体を世の中からなくしたいというんだったら、資本主義国の日本じゃなくて、ミサイル技術で有名な北の国に行けばいいんじゃないかと思います。
と言うか、「転売屋は死ぬべきだ!」とネット上でピーピーギャーギャー騒いでる人達は、どうして具体的な解決策を示そうとしないのか?
一般販売終了直後は転売屋からは買わない、公演直前になるとファンの狼狽売りが出るのでそれを待てばいい。この2つを徹底するだけで、転売屋にぼったくられることはなくなります(この2つを守っても高額でしか買えないのなら、それがそのチケットの市場価格であるということ)。「転売屋は死ぬべきだ!」って感情的になってるんだったら、この知識をもっと周知して、情弱を減らしてください。
まあとにかく、キャッシュフローを考えることです。表に出てくるニュースや情報ではなくて、冷静にキャッシュフローを考えれば見えてきます。それと同時に、相手の立場に立って考えてみること。だって、私がもしも音楽業界でメシを食っていたら、どれだけ市場原理を支持していたとしても、ファンクラブ年会費(チケット優先権)によるキャッシュフローを守るためだったら、建前であっても転売否定しますもん。だから、市場原理から考えたら、音楽業界は馬鹿なんじゃないのか?と思うかもしれないけど、馬鹿じゃないんですね。
私はカネが第一であるとも、カネこそが人生の全てだとも言ってません。カネより大事なものもたくさんあります。ただ、社会の99%はカネで動いているのが現実です。だから、キャッシュフローの観点から、相手の立場に立って考えてみることが大事なのです。
書評:「マネーの公理」
・「マネーの公理」マックス・ギュンター

投機について書かれた古典的な本です。
リスクに関する考え方、利食い・損切りの重要性など、投機で稼ぐために必要な考え方が書かれています。
余りにも基本的なことしか書かれてないため、少しでも他のトレード本を読んだことがあるような初級者以上には物足りないですが、右も左も分からない初心者が「投機とは何か?」という概要を学ぶには中々良い本です。
この本に書かれている投機の原則が今現在でも変わらないのは、人間の本質が変わっていないからです。科学技術は進歩したし、投機対象は変わってはいるけど、人間心理の本質は全く変わっていない。
だから、相場を学ぶということは、不変の人間心理を学ぶことに他ならないわけですね。
株価にしても、自然現象として動いているのではなく、それを動かしているのは群衆の心理です。
「これからも投機で稼げるのかどうか?」という問いは、「人間の本質はこれからも変わらないかどうか?」という問いと同じことです。
科学技術はこれからも進歩していくでしょうが、人間自体はこれからも変わらないままだと思います。なぜなら、多くの群衆は変わる必要がないからです。