2021年5月
※2021年5月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。
・順張りスイングはドローダウン継続。月率-8.55%。
・逆張りスイングは日本製鉄が取れたが、いすゞが駄目でトントン。

・デイトレはサインなし。
レバナスをやってる奴は全員不幸説
「レバナス」という投資手法があります。
「NASDAQ100指数」に連動するETF【1545】NFNASDAQを信用取引を使って全力買いする投資手法のことらしいです。
これはあくまで私の持論ですが、「レバナスをやってる奴は全員不幸」なんじゃないかと思います。
まずそもそも、トレードスキルがあれば、レバナスなんてする必要がありません。
レバナスをするというのは、マーケットでレバナス以外にできることがないということの裏返しです。
で、トレードスキルがないなら、NISAやiDeCoでインデックス投資しておくのが一番無難です。
トレードに比べると、期待できる成績は10分の1程度になりますが、下手なことをして種を融かすよりはマシです。
私は、レバレッジを掛けるレバナスには反対ですが、「NASDAQ100指数」に連動するETF【1545】NFNASDAQに現物株の範囲で長期・積立・分散投資するのはおすすめです。
とにもかくにも、レバレッジを掛けるのがいかんのです。
なんで、レバレッジを掛けてしまうのか?
なんで、現物のインデックス投資では駄目なのか?
なんで、そんなに早くお金持ちになる必要があるのか?
そもそも、日常生活が楽しければ、わざわざレバレッジを掛けてリスクを取る必要がありません。
NASDAQが万一にでも暴落したら、楽しい日常がなくなってしまいます。
万一の可能性であっても、資産が融けて幸せを棄損するリスクを負うなんてあり得んでしょう。
つまり、レバナスは、投資スキルもトレードスキルもない情報弱者が、新型コロナ相場という特殊な環境で飛び付いてしまったんだと思います。
トレードでも投資でも資金管理がいかに重要かということですね。
資金管理が必要なのは、いつ来るか分からないドローダウン対策です。
トレードの資金管理はロスカットや建玉操作で実現し、投資では分散投資(銘柄分散、時間分散)で実現するためロスカットは基本必要ありません。
何度も書きますが、長期・積立・分散投資で「NASDAQ100指数」にインデックス投資するのはおすすめです。
期待できるのは年率10~20%程度かと思いますが十分でしょう。
短期的にはレバナスがおすすめできる時期があるとしても、長期的にレバナスがおすすめできる時期はありません。レバレッジを掛けて行う以上、いつかは破綻します。
個人がマーケットから利益を得るには、売買日記の検証を数年続けてトレードスキルを身に付けるか、インデックス投資で妥協するかのどっちかしかありません。
幸福だけど無知からレバナスを始めてしまった場合には、すぐにでも現物の範囲内に切り替えることを推奨します。
レバナスから学ぶ資金管理
資金管理の観点からレバナスについて考えてみましょう。
円ベースのNASDAQ連動型ETF【1545】NFNASDAQを月足チャートで見てみると、2018年米中摩擦ショックのときは高値から-26.71%、2020年コロナショックのときは高値から-33.03%まで下落しています。

つまり、最大-30%位までドローダウンしてもおかしくないということになり、これを前提に資金管理を考える必要が出てきます。
最大ドローダウン率と最長ドローダウン時間を知っておくことは、資金管理の基本です。
なお、私が使っている順張りルールの最大ドローダウン率は今までで最大-60%で、最長ドローダウン期間が今までで最長8ヶ月です。リターンは直近5年間で+340%となっています。
このため、玉は資金の50%(レバレッジ0.5倍)です。これによって、年率換算した最大ドローダウン率は-30%に抑えられます。
重要なことは、どんなに期待値プラス、トータルプラスのルールであっても、資金管理を間違うと機能しないということです。
私が使っている順張りルールも、レバレッジ2倍にしたらドローダウンで破綻します。
詳しくは、「タープ博士のポジションサイジング入門」を参照ください。
最大限に分かりやすい例でいうと、コインで表が出たら10倍、裏が出たら没収というゲームの期待値は500%ですが、毎回全額を賭けていたらいつか絶対に破産します(最大値の10%ずつであっても、キラーマシン3体目が仲間になるのと同じ確率(1/2^10=1/1024)でいつか破綻します)。
どんなに優れたシステムであっても、資金管理を間違うと機能しません。
そもそも、トレード資金が純粋な複利で増えていくというのは都市伝説です。そんなに上手く行きません。
資金の山で玉を大きくして、そこでドローダウンが来たら、利益を全部吐き出す可能性があるためです。
私は、資金の谷で玉を大きくするのがベターだと思っています。
レバナスの場合には、高値から-30%の最大ドローダウンが来ても耐えられる資金管理をしておく必要があるということです。
そうなると、持てたとしてもレバレッジ1.5倍程度までになるかと思います。
ただ、NASDAQは新型コロナ相場で短期間に急騰したため、これからドローダウンが来たとして-30%で収まるかどうかは分かりません。
なお、これはトレードにおける資金管理の話です。
長期投資だったら、こんな気難しいことは考えなくてよく、毎月拠出して時間分散するだけで終わりです。
ドローダウン期間は、平均取得単価を有利にする期間となります。
つまり、レバナスは投資じゃなくて、どちらかというとトレードなのです。
そして、トレードスキルがあったら、わざわざレバナスなんてやる必要はありません。