2015年6月
※2015年6月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。
〇~6月28日
・6月も入り続けていたが、ドローダウン気味の推移となった(以下の銘柄はエントリーの一例)。
・LC連発となってから、中外製薬・村田製作所と利食いが続き(画像は省略)。NTTが利食いとなればトントン回帰だったものの、+2.92%まで達してから、分割ついでの下落で-0.49%LCに。
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・2015年5月の初めに「自分史の書き方」でググると当サイトが一番上に表示されるようになったことを記念して、6月5日からは、(モチベーションが出てこなかった)デイトレの演習を一旦休止して、過去の売買日記を見直してみて、トレード史を書いてみることにしました。
※トレード史の書き方については、後述のコラム参照。
ただ、トレード史を単に書くだけでは面白くないなと思ったため、「もしも全てのトレードで3%利食いでやってたらどうなってたんだろうな」と、各時期のトレード史の記述と同時にチャートをマーケットライダープレミアムで見て、Excelで検証する作業もやってみたんです(今になってみると、結構凄い作業量で、1日に1~2ヶ月分やるペースで、約3年分を振り返るのに1ヶ月近く掛かりました)。
そうしたら、衝撃の事実が明らかになってしまったのです。
なんと、今までの全てのトレードを3%利食いでやってたら、普通にトレードするのと同じかそれ以上の結果になっていた……(結果は一貫してトータルプラスの右肩上がりの資金曲線。月トータルではマイナスもあるが、年トータルでは一貫してトータルプラス)。それも、トレードを始めた2012年3月から一貫してトータルプラスになっていた……。
と言うことは、最初からこのことに気付いていたら……。
これまでに、聖杯探しに費やしてきた何百~何千時間の努力は一体……。勝率が低いのはエントリーが悪いからだと思っていた。そのために莫大な時間をチャート検証に費やした。しかし実は、利食いが遅いだけだった……。
トレードの神様「この3年間、貴様が費やしてきた何千時間の努力は、この単純なことに気付くためのものだったのじゃ。全て、貴様が勝手に難しく考えていただけだったのじゃ!!」
でもこれは……。と言うことは、と言うことは、と言うことは……。
あとはもう、試行回数を増やして回しまくればいいってことじゃないか!!!!!
これは、トータルプラスとはどういうことなのか、大数の法則とはどういうことなのかを、ようやく理解した瞬間でした。
トレードで利益を出す、トータルプラスで稼ぐ方法は、これしかありません。私は、マーケットで利益を出す方法について、大数の法則が基になってない話は信じません。それは結局、聖杯を当てられるという話でしかないからです。
例えば、四季報を読んで、第二のガンホーが云々……。アベノミクス相場じゃなくて、リーマンショックが来てたらどうなっていたのか?偶然当たったものを、後付けで説明してるに過ぎない。でもこれ、チャート検証にしても同じことをやってるんです。
そして、厄介なことに、非常に厄介なことに、大数の法則(確率統計思考)は単に言葉で説明しただけで理解できるようなものではないです。
大数の法則という概念を知っている人はそこそこいるかもしれないですが、理解している人は絶滅危惧種並みでしょう。単に概念として知っているのと、体験を伴って理解しているのとでは、絶望的な差があります。そして、この壁こそが、グレートウォールとなってトレーダーを守ってくれているのです。
体験を伴わないことには、絶対に大数の法則の本質は理解出来ません。
そのためには、記録(売買日記、統計)を取るしかない。自分の手で記録を取り続けるしかない。そして、何かのきっかけで気付くしかない。
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〇6月29日
・トレード史で気付きを得て、「このドローダウンもそろそろ抜けるだろ」と思っていた、月曜日の朝。ギリシャ問題が週末に交渉決裂して、ギリシャデフォルト懸念が高まったことで、日経平均は-401円の暴落で寄り付いた。
・金曜日に買い保有していた、三住トラストは-3.31%LC、第一生命は-5.11%LCとなった。
・目の前で過去最大の資金が消失した(総資金の-5%)。ドローダウン中の暴落となったため、「マジかー」と言う他なかった。
・年トータルでは依然プラスのままだし、6月のドローダウンを含めても4月中盤~5月の含み益が融けただけのこと。ただ、このシステムだけでは……と思った。
※注:トレード史で気付きがあった直後、デイトレをやろうか決めあぐねていたこのタイムリーな時期にまあ……。
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・6月の収支は、24トレード4利食い、勝率16.67%、月率-8.24%。
トレード史の書き方
トレード史の書き方について説明します。
そこまで難しいことではなく、過去の売買日記を見直してみて、次の点にフォーカスして時系列順に箇条書きしていくといいです。
(1)印象に残ったトレード、教訓に繋がったトレード
(2)新しく取り入れることになった習慣や考え方など
(3)その月の収支
書き方の例としては、次のような感じです(私が作った造語が多くて分かりにくかったら申し訳ないです)。
1日に1~2ヶ月分のペースでやっていくといいですが、今の時点で、その時期を振り返ったときの感想を、その時期のトレード史を書いた日の売買日記にでも書いておくといいですね(トレード史ではなくて、他の所に書く)。例えば、こんな感じで。
それで、トレード史を書くことで得られる利点としては、教訓や習慣などにフォーカスして記述していくことによって、中長期的に自分自身の成長を実感出来ることです。これは、継続していくための大きな希望になります。
あと、注意点として、トレード史を振り返っていい時期は、最低でもその時期から半年は経過してないんだったら、やめた方がいいです。つまり、2017年1月のトレード史を記述するのは、2017年7月以降となります。これは、トレード史の効果を最大限に享受するためです。
書評:「あなたも株のプロになれる」
「私は株で200万ドル儲けた」の日本版のような本です。
個人的に、この本の中で印象に残ったのは、中々株で稼げるようにならなかったため、株から(この当時、暴騰していた)小豆相場に鞍替えしようとしたときに出会ったおじいさんの次の言葉です。
「株で損ばかりしているので今度は小豆をやろうというのかね。証拠金も安いし儲けは大きい。株がだめなら小豆でという亡者がひとり来たのかい。(略)なにをいまさら商売替えをするんだね。となりのボタ餅は大きくみえるものだ。こちらに来たら一年生で経験なし。腕は未熟。それで儲かるかね。スッテンテンは時間の問題だ。悪いことはいわないから夢をおいかけるのはおやめなさい」
売買技法の上達についても詳しく書かれていて、結局、自分の性格に合った型を一貫して練習して身に付けていくしかないというのが結論です。特に、270~273ページに書いてある「損益の出方は個性を反映」は自分の型を貫いていくしかないという信念を強化してくれます。
売買ルールそれ自体に優劣はなく、自分に合った手法に徹底的に精通していくしかないわけです。他の人が使ってる手法が、「週トータルではまずマイナスにならず、年率1000%叩き出す」ものだったとしても、自分の性格に合ってなければ、何一つ参考になりません。
※情報商材などのマーケティングにおいては、月トータルでマイナスになりづらく、勝率も高いことが強調されます。なぜなら、世間一般的な欲求(学校教育や社会風潮によって植え付けられた、安定・安全を至上のものとする信念)に響きやすいからです。少なくとも、去年運用していた場合の勝率、成績、最大ドローダウンの3点が具体的に名言されてないシステムは、マーケティング目的だと思った方がいいです。セミナーであっても情報商材であっても、この3つを聞くだけで、すぐに分かります。
私も、この信念が結構強固で、「自分のルールは間違っていて、他のルールの方が優れてるんじゃないのか?」と何度も思いました。結果が出てないときは、いくらプロのトレーダーが口を揃えて「自分のルールに精通するしかない」と言っていても、中々信じられないんですね。