2013年9月
※2013年9月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。
○9月4日
・エントリーする以外の銘柄について、サインが出た銘柄は全て統計を取るようにした。
※注:ようやく、ようやく……。トレーダーにとって最も重要な習慣です。統計を取る前には分からない、統計を取る重要性。
※統計の取り方については2013年1月参照。
○9月5月
・色々と考えていたら、あることを思い付いた。それは、分割建玉でトレードするといいんじゃないか?ということ。売買日記を見直してみると、1日目のロスカットが多い。だから、最初のエントリー時に投じる資金量をやや減らして、大体+3%位まで順行したら増し玉したら……。
※注:要するに一言で言うと、追撃の概念が出来たということです。そして、利益目標ラインを設定する重要性が遂に分かってきたんですね。しかし、このときの手法にはとんでもない欠点があった……。
※注:やっぱり、逆境は凄い。精神的負荷が掛かり、深く考えに考える必要性に迫られるため、統計を取るという新しい行動をする契機になったり、分割建玉法のような新しい解決策が閃いたり。「アイデアのつくり方」に書いてある、アイデアを生み出すための最も重要なプロセス(考えに考え尽くすこと)をせざるを得なくなるわけです。
○9月17日
・シャープ+3.03%の利食い。
※なお、増し玉は恐くて出来ず。結果的には正解だった。
※注:エントリー的にはうーむ……だが、結果的には利益になった。
○9月19日
・アイフル、増し玉するも、合計-1.71%LCに。
※注:この分割増玉法、3%で増し玉して10%で利食いというのが基本だったわけだが、3%増し玉後は損切りラインをエントリーポイントに移動する。つまり、エントリーポイントまで逆行したら、+3%利食いだったものが、-3%(最初の玉-0%、増し玉-3%より)になってしまう。これは折角利益が乗ったにも関わらず、精神的には辛いものがある。
○9月30日
・東電、平均+5.71%で利食い。
※大きく上げて寄り付いたため、増し玉はなし。最初の玉を2回に分けて利食いした。
※注:これは逆張りなんで、10%到達時点でラッキーだと利食いするのがベター。ただ、+5%以上取れたわけでナイストレード。
~~
・9月の収支は、10トレード4利食い、勝率40.00%、わずかにプラスとなった。
統計を取る利点
統計の取り方については、2013年1月の所で説明した通りなんですが、今日は統計を取ることによる利点を書いていきたいと思います。
(1)テクニカル分析のスキルが向上する
ある条件でエントリーしていたら?という統計を淡々と取ることによって、必然的にチャートを見る回数が増えてきます。
例えば、売買代金200位までの中から抽出して統計を取る場合は、毎日200銘柄のチャートを見る機会が生まれます。200銘柄を1年間に200日見るとなると、年間では40000のチャートを見ることになります。
更に、エントリー条件を満たす銘柄の抽出作業をすることで、エントリーの条件に使っているものがトレンドラインにせよ支持線・抵抗線にせよ移動平均線にせよ、そのテクニカル指標に精通することになります。トレイリングストップに移動平均線やオシレーターを使っていたら、やはりそのテクニカル指標に精通することになります。
テクニカル分析のスキルを上げたいのなら、ただ単に闇雲に多くのチャートを見るのではなく、統計を取る作業の一環としてチャートをたくさん見るようにすることを推奨します。
(2)一貫性が身に付く
損益は気にせずに淡々と統計を取り続けることで、一貫性のあるトレードを体験することが出来ます。
淡々と統計を取っていれば、損切りラインまでジャストで逆行するものもあれば、損切りラインまであと1ティックの所まで逆行したけど反発していったという事例も体験出来ます。これによって、最適な損切りラインなど存在しないということが理解出来ます。これを理解すると、損切りラインは何か一つのものに決めるしかないという結論に達します。
※余りにもLC幅を取り過ぎている場合は除く。順行したエントリーのMAE(最大逆行幅)を取ってみて、LCラインは大体の値に決めるしかない。
(3)売買ルールを作れる
淡々と統計を取り続けていると、その統計から分かってくることがあります。
例えば、50連続LCになった後は利食いが続きやすい場合が多いなとか、利食いが50銘柄に達したら、その後はとんでもないLCラッシュが来るからエントリーは控えた方が良い場合が多いなとか。
※重要なのは、”場合が多い”という傾向しか分からないことです。相場に絶対は絶対にあり得ません。そのため、どれだけ優位性のあるパターンを発見して、そこから売買ルールを作る場合でも、資金管理・損切りは絶対に必要になります。
※あと、発見したパターンは、必ず改めて自分の手で検証してください。人間の感覚はバイアスが掛かっていて当てになりません。統計から何らかの優位性のあるパターンを発見したと思ったら、絶対に統計を取って検証してください。人間の感覚は当てになりません。
(4)オリジナル指標が得られる
自分の手で取っている統計から、相場全体の指標を得られることがあります。
もちろん、この指標から売買ルールを作ることも可能です。
~~
統計を取る不利点は、1日30分~1時間程度の時間が掛かることだけです。それも慣れてくれば、半分位の時間で出来るようになってきます。
トレーダーにとって、淡々と統計を取る・記録を付ける作業は、スポーツ選手にとっての筋トレのようなものです。利点しかありません。
統計を取るのは、トレーダーとして成長するためには絶対必要不可欠な習慣なんで、毎日統計を取るようにしてください。
書評:「確率論的思考」
「たまたま」「まぐれ」に続いて、確率統計思考について書かれたこの本を紹介します。
数学で扱う確率論と確率統計思考は異なるものであるという前書きから始まり、歴史や市場、生物といった題材を使って確率統計思考を分かりやすく説明されています。
ところで、株の相談をされたときに一番困るのは、その相手が確率統計思考(大数の法則)の概念すら知らない場合です。これはもうどうしようもないです。
「どの株が上がるのかは分からない。でも、トータルでは利益を出すことが出来る」ということを理解出来ない、理解してくれないために、不毛な時間を過ごすことになります。株の専門家でも、どの株が上がるのかなんて絶対分からないのに、絶対確実なアドバイスを求めてくるため……。「株なんてやるべきじゃないよ」と言うしかないです。
トレーダー以外で確率統計思考を身に付けている人種としては、ギャンブラーやナンパ師、オレオレ詐欺の詐欺師などが挙げられます。
かつて、私が確率統計思考の概念すらない人に「マーケットで強い人種としては、ナンパ師やギャンブラーなどが云々……」という話をしたときに、ナンパ師が強いのは「(声を掛ける)勇気があるからだね」という答えが返ってきたことがあります。
そうじゃないんですね。180度違います。
ナンパ師は、100人に声を掛ければ、その内5人位からは連絡先をゲット出来るという、トータルでプラスになればいいという確率統計思考に基づいた行動をしているんであって。目の前の1人1人に声を掛けることにフォーカスして、別に断られても、100人に声を掛ければトータルではいくつかの連絡先をゲットすることが出来る。これって、トレードで利益を出すために必要な思考と全く同じです。
人生は1回しか試行出来ないわけで、人生で選んだ道が確率何%で成功する道だったのかは絶対に分かりません。でも、もしも自分で選んだ道が仮に失敗に終わったとしても、「結果は失敗だったが、この道を選んだのは間違っていなかった。悪い判断ではなかった」と言いたいものです。



