2021年4月 トレード歴110ヶ月(ETF分配金の闇)


2021年4月

※2021年4月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。

・順張りドローダウン、逆張りも不調で、2020年3月以来のマイナスとなった。月率-10.5%だが、1年トータルで見れば+110%の内の-10.5%。なお、ドローダウンはあと2ヶ月続くことになるのであった。

・EAJのデイトレやラクーンの逆張りスイングは取れたが、LCも多くトータルではマイナスとなった。

 


ETF分配金の闇

私は2020年にETFについて調べて、「インデックス投資をしながら、分配金がこんなに貰えるんだ!」と凄いことを見つけたと歓喜しました。

インデックス投資が素晴らしい投資方法なのは間違いないですが、分配金についてはとんでもない誤解があったことに2021年気付くことになります。

2021年5月に、ETF投資をしようと、高配当ETFについて再度調べなおしました。

「分配金利回りが暴落している……」

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-日本株(1311):3.25% 8960円
-米国株(1546):0.81% 36350円
-欧州株(1386):1.68% 9610円
-環太平洋先進国株(1390):2.62% 5450円
-国内REIT(1343):3.33% 21970円
-海外REIT(2515):2.48% 10760円
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2020年時点では平均4%あったETFの分配金利回りが、半分程度に暴落していたのです(更にいうと、上記は2021年5月時点の分配金利回りであり、【1311】は2022年1月時点では1.20%にまで激減しています)。

新型コロナ相場の値上がり分で下がったのもありますが、それ以上に分配金が減らされていた効果が大きかったのです。

分配金利回りだと分母に株価が入るため、上記ETFについて具体的な分配金の推移は次のようになっています(2020年8月31日→2021年8月31日)。なお、2022年4月26日現在、東証で見れるのは2021年8月31日時点のパンフレットであり、それ以前のデータは参照できなくなっています。
※私が運営するETF投資のサイトに過去データが記録してあります:https://trademaster.jp/etf/

○ETFの分配金(2020年8月31日→2021年8月31日)
-日本株(1311):26.8円→12.4円
-米国株(1546):1,015円→302円
-欧州株(1386):237円→203円
-環太平洋先進国株(1390):181円→132円
-国内REIT(1343):70.5円→69.9円
-海外REIT(2515):30.3円→26.5円
※参考:世界株ETF(1550):36.6円→38.6円

これはETFについて定点観測していなければ気付けないことでした。ETF投資サイトを作って、ドヤ顔でTOPIX Core30やダウをおすすめしていたことは穴があったら入りたい……。ただ正直、インデックス投資を始めたばかりで、こんなの分かるわけねえだろ!と言いたい。

私が立てた仮説は、「個別株の場合には減配は大きなニュースになるが、ETFの場合には減配してもニュースにならない。つまり、運用会社のサジ加減一つで決まってしまう」というものです。
※現に、ETFを定点観測していると、信託報酬が減った一方で、分配金利回りがそれ以上に減らされた銘柄が少なくありません。例えば、1546とか1546とか1546とか。もちろん、信託報酬が減ったことは大々的にPRされますが、分配金がそれ以上に減らされた情報は出てきません(既に前の分配金のデータは更新されてなくなっているため、まず分からない)。

私はこれまでETFによる分配金再投資をおすすめしてきましたが、この事実を知ったことで立場を転換しました。仮にETFの分配金投資でおすすめできるとしたらREIT型だけです。

ETF投資によるインデックス投資が合理的なことは変わらないためおすすめですが、分配金についてはおまけ程度に考えるべきと思います。

分配金利回りが2%以上のETFは、運用会社のサジ加減一つでいくらでも減配可能と認識しておくべきだと思います。

現に、TOPIXや日経平均、S&P500指数、MSCIコクサイといった2020年時点でも分配金利回りが1%台だった銘柄の分配金は変わっていません。

つまり、ETF投資では、基本はインデックス投資による値上がりを期待し、おまけ程度に貰える1%程度の分配金を再投資に使うことがおすすめです。

具体的には、先進国株ETFの【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信にのみ投資して、おまけ程度に出る分配金を再投資していきましょう。

改めて、おすすめのETF投資について述べると次のようになります。

【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信は、2017年1月→2022年1月までの5年間で+90.27%(2,037円→3,876円)の上昇率となっています。単純に年率に換算すると+18%/年の値上がり率です。また、同ETFからは約1%程度の分配金も出ます(2021年実績:1.08%)。

NISA120万円×5年分の枠を使って、【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信に5年間に分けて分散投資しておき、毎年発生する1%程度の分配金を再投資に回していくとしましょう。
※2024年から始まる新NISAでは、つみたてNISAの枠は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」にしておけばよい。

世界株ETFの値上がり率が世界経済の年成長率とほぼ同じ年4%となり(直近5年間の実績は年18%)、分配金1%を再投資していった場合には、NISA600万円分の世界株ETFは30年後に2593万円(元本600万円 実質利回り5% 年複利で計算)になります。

※なお、投資タイミングは1年に2回(半年ごとに1回)や1年に3回(3ヶ月ごとに1回)、1年に4回(4ヶ月ごとに1回)など機械的に決めてしまうことをおすすめします。一度に全額投資することは絶対に避けるようにし、長期・積立・分散投資を意識してリスクヘッジするようにしましょう。

※更に言うと、これは2022年4月あたりの日記に書くと思いますが、世界株ETFや米国株ETFは円安対策になることも大きなメリットです。