2012年5月 トレード歴3ヶ月(売買シミュレーション、「くそったれマーケットをやっつけろ!」)


2012年5月

※2012年5月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。

○5月7日
・順張り買いでエントリーし続けていたが、うーむ……。買いでサインが出ているのは、代金が10億に満たない銘柄ばかり。

※なお、日経平均はこんな感じ。

・一方で、空売りが出来れば、こんな銘柄が。

※注:かなり都合の良い線の引き方をしていますな。ただ、この相場状況、空売りフェーズなのは間違いなし。

 

○5月8日
・「ああ、これから買いだけでやっていけるんだろうか……」。現時点で買いだけでやるのは、資金が減っていくだけでは?。そして、考えに考えた結果。「今と同じモチベーションを保てるのならば、シミュレーションして、順張りの売買ルールについて深く知っていく方が有効だと思う」。「今の下降トレンドで買いだけってのは、どう考えても危険過ぎる。現時点での目標は来年の4月までに信用口座を開くことにある」。ただ、抵抗も……(早めに信用口座を開いておいた方が早く稼げるようになるのでは?……)。

○5月9日
・前日に買いエントリーした銘柄がLCに。これで、売買シミュレーションで行く方針が決定した。
※来年の4月までに(トレード以外で)150万円作って、信用口座を開いて、毎日シミュレーション(つもり売買)による売買日記を書き続けていこうということが決まった。
※これは英断。大英断以外の何物でもなかった。
※売買シミュレーション(つもり売買)のやり方は後述。

※と言うことで、2013年3月14日までの売買は全てシミュレーション(つもり売買)によるものです。

・「空売りさえ出来れば、この相場状況で利益を出すのは簡単だ」(と思っていた)。しかし、マーケットはそこまで甘くはないのであった……。

※この先端の終値で空売り。結果は755S→763LC(-1.05%)。再エントリー。
※注:エントリーしたいという欲求が無意識にあり、順張りエントリーの定義がまだ定まっていない。買いは右上突破、空売りは右下突破と定義してしまえばいいのだが……。

 

○5月11日
・SUMCO(再エントリー)、落ちたー!と思ったら、微妙に損切りラインに掛かっていた。

 

・あと、チャート研究的な検証をやっており、「これはスゲー!」的なことやっていました(これは売買記録ではなく当時の検証画像)。

※コメントは無視してください。
※注:これは都合の良い、余りにも都合が良過ぎる検証です(落ちている銘柄を見つけてきて後付けでサインだったと思っている)。このような無意味な検証を山のようにしてきました。これ、無意識の内に聖杯探しをしているんですね。でも、順張りエントリーの条件を定義して、そのサインに入り続ける以外にないんです。それは(検証の時は意図的に避ける)ドローダウンの時期も当然ある。
※注:更に言うと、プロのトレーダーは「絶対に機能するレンジ」を見極められる的な思い込みがある。プロのトレーダーでもドローダウンを体験するということが信じられない。

 

○~5月31日
・5月は、この2つはまあまあ上手くいった。

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・しかし、それ以外にLCが重なったため、トータルではマイナス。勝率は12.5%。

 


売買シミュレーション

統計を取る際にも絶対必要となる売買シミュレーション(つもり売買)のやり方について説明します。

まあ、実際に注文を入れるかどうかの違いでしかないんですが、スイングトレードの場合、エントリーは終値の値で固定して行うといいです。
※デイトレの場合は、エントリー時の板の情報も記録しておく必要があります。デイトレのデータの取り方について詳しくはこちら

〇売買シミュレーション(つもり売買)のやり方(スイングトレード編)
1.~14時50分位までに、エントリーする銘柄(を買いか空売りか)を決定する。
※つもり売買なんだから、リアルタイムで見てた方がいいです。大引け後に抽出しては、実際の売買とは違う状況になってしまいます。単に統計を取るんだったら、引け後でもいいですが、シミュレーションの場合は、出来るだけ実際の売買の状況に近付けてください(エントリーのクリックをする以外は全く同じ状況にする)。例えば、1500円を超えたらエントリーだというのに、14時58分時点で1495~1505円をウロウロしてるなんてのはザラにあります。実際の売買では、引け後の終値を見てからのエントリーというのは出来ません。

2.大引けとなったら、エントリーする銘柄のエントリー価格(=終値の値)、買いか空売りか(LorS)、株数をチャート上に記録する。

3.売買ルールに基づき、損切りライン及び利益確定ライン(増し玉する場合も記述)をチャート上に記述。
※例.2017年3月14日にレンジ抜けでアルプスを300株買い。損切りラインが-1%、利益確定ラインが+3%ラインとする。

4.あとは翌日以降、ルールに基づき機械的に運用する(損切りライン、利益確定ラインのいずれかにタッチした所でout)。
※トレイリングストップのルールがある場合は、損切りラインを動かしていってok。
※損切りラインはその価格まで逆行した時点でoutとするが、利益確定ラインは利益確定ライン+1ティックまで順行したらoutとした方がよい。これはどういうことかと言うと、例えば、1050円が利益確定ラインだとして、高値がジャスト1050円まで順行して、その後下落していった場合は、1050円で利食いにならない場合が多いです。そのため、1051円以上まで順行したらokとシミュレーションするわけです。

 

売買シミュレーション(つもり売買)で出来るのはここまでとなります。実際の資金を投じないつもり売買では、精神的負荷が掛からないため、ザラ場中の判断で利食いするなどの裁量的判断は全く意味のない行為です。つもり売買は、機械的なシミュレーションに限り効果があります。一切の裁量を入れずに機械的に行ってください。必要なのは、エントリー価格、買いか空売りか、(資金管理のルールから算術的に決定された)株数、損切りライン、利益確定ライン、(トレイリングストップ)で、機械的に運用することです。

 

 

書評:「くそったれマーケットをやっつけろ!」

「くそったれマーケットをやっつけろ!」マイケル・パーネス

個人トレーダーがマーケットを攻略する方法について、愉快な語り口で書かれた本です。個人のトレーダー向けに書かれた本としては、この本が一番参考になるかもしれないです。まあ、著名なトレード本では、結局同じことしか言ってないんですがね。自分のルールを確立せよ、その売買ルールを忠実に執行せよ、資金管理・損切りだけは何があっても守れと。

特に、第13章の「自分の夢を実現するためにトレードする」は、企業に所属してるわけでもない個人のトレーダーが、なんのためにトレードするのか?について書かれています。ただ単に楽に大金を稼げそうだから、ただ単に自由時間がありそうだからという程度の動機では、この道を最後まで走り続けることは到底不可能でしょう。

あと、世間一般では、機関投資家の常識が個人投資家の常識にも当てはまると勘違いしている人が余りにも多いです。例えば、バフェットでさえ年率10%行かないんだから、個人が年率10%達成するのは無理だとか(さすがにこのレベルの意見を述べる人はチャートすら見たことがないんだと思いますが)。何百億~何千億円の資金を年率10%で運用するのと、個人が食い扶持を得るために運用するのとでは、マーケットに対して全く違うアプローチをとる必要があるということが世間的には理解されてません。

この道を歩いていく途中では、世間の声に戸惑うことがあるかと思います。しかも、社会的に成功しているとてつもなく頭の良い人達が、株の話をしていることが結構あります。これに戸惑うことがあるかと思います。「はあ?何言ってんの?」と。ただ、凄い人が言ってるもんだから、「もしかして、自分が間違っているんか?」と思ってしまうことがあるかと思います。

でも、その人達は社会的には成功者でフォロワーも凄い数いるのかもしれないけど、売買日記を書いたり、統計を取るなり、本気でマーケットについて継続的に学ぼうとしたことがあるのか?

どんなに頭が良かろうと、(相場以外の分野で)成功していようと、その現場を知らない人の話は、現場を知ってる側からすると滑稽な話になるものです。他分野でどれだけ成功していようが、マーケットを知らない素人の戯言。流されないように。

なぜかは分からないですが、(専門外にも関わらず)株について語りたがる人は驚くほど多いです。しかも、その中の2000人中100人は運だけで成功してしまうため、声だけはでかいから厄介なものです。四季報の読み方とか第二のガンホーの見つけ方をとくと説明してくれます。
※これは生存バイアス。運だけで莫大な利益を出す素人が5%だとしても、1万人いれば500人。9500人は損したことを隠したいため何も言わないが、運が良かった500人は自慢したくて仕方ないため……。でも、この500人の声こそが、次なる95%をたくさん連れてきてくれるのです。

どんな成功者であろうとも、訓練を積んでなければマーケットではただの素人。流されずに自分の道を進み続けること。この道に近道はないのです。