日本のピラミッド


マイノリティーが逆襲するには、まず敵(将来の味方)を知っておいた方がいいということで、今日はこの話をしておきます。これは私の知人である社会心理学の専門家から聞いた話の受け売りなんですが(社会心理学の専門家というのは基本的にまともな人間ではない)、日本社会全体の心理に関する話です。

それで、ネット上では、リア充が羨ましいとか、リア充爆発しろとか、そういう書き込みを見かけるときがあります。でもこれは、深層心理では違うのです。実は、ピラミッドの一番上にいるリア充っていうのは、そのピラミッドに所属している人達にとってはアイデンティティーの一部になってるから、深層心理では王様のような存在になっている。だから、「リア充爆発しろ」と書き込むことによって、自分が所属しているアイデンティティーを守ろうとしているんですね。

知らず知らずの内に、このピラミッドがアイデンティティーになっている。その結果、このピラミッドの一番上にいる人達を抜いてはいけませんよという刷り込みが出来てしまう。リア充を抜いてしまうことに対して恐怖心・抵抗感があるのです。しかもそれは、潜在意識レベルで存在しているから、意識レベルでは気付けない(潜在意識は変化を恐れている。それは、今より落ちぶれる方向への変化もそうだけど、過去の栄光を抜き去ってしまうという上への変化に対しても恐れている)。そして、誰も本気で挑戦したり冒険しなくなってしまった。これこそが、日本を覆っている閉塞感の正体の一つなんじゃないかなと思います。

つまり、「リア充爆発しろ」という書き込みは、リア充が羨ましくてやってるんじゃない。あれは。自虐的になってるようで、実は自分のアイデンティティーを強化するためにやってる。だって、本当に羨ましかったら、ネット上で愚痴ってなんていられないですぜ。羨ましくないから、自虐ネタに使える。だから、リア充信仰とネット右翼の愛国活動ってのは、正反対の活動のように見えるけど、本質的には同じことをやってる。友達いない人などを虐げてリア充を持ち上げることでカーストというアイデンティティーが強化されて、日本以外の国を虐げて盲目的に日本を持ち上げることで日本人というアイデンティティーが強化される。つまり、どっちもアイデンティティーの強化が目的(ただこれは、人間として、ある種の生理現象でもある。人間であれば誰だって自己正当化するからね。人間って、ガチで自虐的な行為は出来ない。どんな行為だろうと、それは100%自分の利益になるからやってる)。

では、なぜにこういう風潮が強くなったのかと言うと、これは私の個人的見解なんですが、敗戦でアイデンティティーが深く傷ついた戦後の日本は、徹底的に経済成長に注力してきました。つまり、経済力だけが日本のアイデンティティーになっていた。でも、その唯一のアイデンティティーが、それまで格下だと思っていた中国や韓国に逆転され始めた。その結果、「俺は凄くないけど、俺が所属してるピラミッドのトップは凄いんだぞ!」という形でアイデンティティーを守るしかなくなってしまった。

あと、日本のカーストで一番強いのはリア充じゃないんですよ。例えば、ネット上の至る所でリア充認定はされてるけど、リア充宣言してる人っていないじゃないですか。少なくとも、私は見たことがない。それでもしも、私のような友達もそれほど多くない人間が、高らかにネット上でリア充宣言したとしましょう。恐らく、その人がいくら自分の人生に満足していたとしても、「リア充へのコンプレックス丸出しww」みたいな、身に覚えのないコンプレックスを持ってることにされるだけでしょう。では逆に、天職に就いて充実してて、友達もめっさ多くて、誰からも羨ましがられる恋人がいるような、誰がどう見てもリア充な人がリア充宣言をしたとします。その瞬間は周りから賛同されるかもしれないけど、「痛い奴だな」と思われて陰口を叩かれるようになるのはほぼ間違いないでしょう。つまり、日本村のピラミッドで 一番強いのは、リア充認定している自分達、世間様なのです(これこそが日本社会の最大の特徴と言ってもいい)。