順張りトレーナー


ポケモンの話に戻るが、勝利至上主義的な、勝率を上げることしか考えない戦い方というのは、害悪だと言われて嫌われる。第五世代でも、ガッサやラッキー、ローブシンなどはよく叩かれていたようだ。

本当に、ポケモンとトレードは良く似てると思う。まず第一に確率統計ゲームというのはそうだが、それ以外にも共通点がある。

ポケモンの勝利至上主義者というのは、ゲーム環境のトレンドフォロワーであり、キノガッサが強いときはキノガッサを使うし、キノガッサが弱くなったらキノガッサを使わない。その環境で強いポケモン=使いたいポケモンとなる。ただ、ゲーム環境のトレンドフォローなんであって、バトル環境のトレンドフォローではない。バトル環境に対しては逆張りだから、5%になれる。

トレードではボラティリティー・売買代金がある最強の銘柄を買うように、ポケモンでは現環境で優位性があるポケモン(≠使用率が高いポケモン)を使う。

トレードではボラティリティー・代金がなくなったら、もうその銘柄ではトレードしなくなるように、ポケモンでは環境が変わって優位性がなくなったポケモンにはもう見向きもしない(例えば、第四世代→第五世代のドータクンなど)。逆に、今まで見向きもしなかったポケモンが化けると、使うようになる(例えば、第四世代→第五世代のパルシェン、バシャーモ、ニョロトノなど)。

(数値は極端だが)95%がガブリアスを使っているときに、マニューラを使うトレーナー。大暴落で95%が損を出しているときに、空売りをしているトレーダー。

この5%は注目もされないし、話題にもならない(だからこそ勝ち続けられる)。前者のような状況では、ガブリアス=神というような風潮が出来上がり、ガブリアスを使わないのは非国民のような扱いを受ける。マニューラの話題など全く出てこない。少しずつ気付き始めるトレーナーが増えてきて、マニューラが増えてくると、ガブキラーとしてマニューラが話題になり始める。しかし、この時点で既に5%のトレーナーは、マニューラ狩りにローブシンを使い始めている。このとき、ネット上ではローブシンはオワコン化されてるかもしれない。しかし、現在目の前で起こっていることだけが話題になるため、マニューラやローブシンがオワコン化されていたことはなかったことにされる。これが何度も何度も繰り返される。

トレードの勝者もポケモンの勝者も少数派であるため、多数派とは決して交わらない。多数派が群れている所で同調を感じることが出来ない。トレードもポケモンもそういうゲームであるため、こうならざるを得ない。

あと、ポケモン廃人が小学生に負けて発狂したみたいな記事が前にあったんだが、本当にポケモンを熟知している人だったら、ポケモン=確率ゲームだと理解してるから、負けても何とも思わんだろう。逆に、勝っても何とも思わんが。それは、サイコロ振って1が出て発狂するようなもの。馬鹿らしい。勝率が高いパーティって、バトル自体がサイコロ振るのと全く同じ感覚になるから飽きてくる。勝率が高いパーティは作るまでは楽しいが、作ってしまうと退屈で仕方ない。だから、これも勝利至上主義のリスクだな。パーティ作るのは楽しくなるが、その分、ポケモンバトル自体のエンタメ性を殺すことになる。

まあ、勝利至上主義というのは、合わない人には本当に合わないわけで、好きなポケモンを使って楽しむのが一番良い。勝利至上主義的な価値観が適合しないにも関わらず、流されてポケモンで高勝率を求めてしまうと、悲惨なことになる。ポケモンが嫌いになるだろう。別に、勝てなくてもいいじゃん?と思うのだが。好きなポケモン使って勝率まで求めるからおかしいことになる。フライゴン使って高勝率目指すからおかしいことになる。

勝利至上主義のポケモントレーナーは、株式市場に行こう!

ガブリアスがソフトバンクに、キノガッサがアイフルに、ゲンガーがケネディクスになったようなものだ。マイクロニクスや日本通信のような、バシャーモやニョロトノのように化ける銘柄も登場する。

確率的思考については、この本が一番分かりやすいかな?この考え方、ポケモンにも応用出来る。