2018年5月
※2018年5月当時の売買日記を読みながら作成(図も当時のものをそのまま転載)。
○5月1日
・基本的にIPO銘柄は手掛けないんだが、これは例外的にデイトレ。さすがに下げ過ぎ。
○5月9日
・あるルールで、レノバがLCラッシュになったことから、このルールにも再エントリーの回数制限を設けた方がいいんじゃね?と。この1年で検証してみたら、10%以上上昇した17銘柄中、16銘柄が再エントリー1回以内となっていた。このことから、再エントリーの部分が変更となった。
※2月の杉村倉庫のときも検討されてたが、そのときは「値付かずのストップ安があったら駄目とされていた」。
※「これはどうして今まで気付かなかったのか。結構衝撃的なデータとなった。パターン3は再エントリー1回以内からほとんどの場合上昇している」
※注:こういうことはルールを運用していればいくらでも出てきます。
○5月10日
・再エントリーをやめた途端に、レノバが暴騰した。ワロス。だが、ルール的・確率統計的にこれは見送りが正解。
トレードライターになって分かったこと2
ライティングの仕事でデイトレに関する記事を書くことになったときに、私の長年の疑問が氷解しました。
以前から、大手投資サイトなどには、「この銘柄で板読みをするだけで、そんなに利益が出るんか?ボラが圧倒的に足りなくないか?」と疑問に思う記事がたくさんありました。
もちろん、そんな甘い話があるわけがないんですが。
もしも、そんな簡単に板読みで1日1万円の利益が出せたら、日本に100万人いるとされる高齢引きこもりの問題は解決されてしまいます。
しかし、大手サイトだったことから、「スゲーな……。世の中にはこんなシンプルな板読みで利益を出せる人がいるんだもんな……」と私は思っていました。
ところが、自分自身がライティングをやってみて分かりました。
ああいう記事は、最初に結論ありきでライターが書いていたのです。
「株で1日1万円稼げる方法を記事にしたらPVが稼げるだろう」というコンセプトで、ライターに記事が依頼されます。ライターは文字数を埋めるために、適当にネット上のデイトレや板読みの記事を漁ってきてコンテンツを作ります。結果、誰も検証しない結論だけは立派なゴミがネット上に量産されていたのです。
そりゃあ、デイトレが益々難しくなるわけです。ネット上でこんなトラップが量産されている背景に気付けるわけがありません。
ちなみに、私はデイトレの最も基本的な形は、日足で見て翌日に陽線になりそうな銘柄を、翌日の寄り付きで入って5分足でトレードすることだと思います。
このデイトレの基本が最初から示されていたら、私のデイトレの上達速度がもうちょっと上がったかなと思います。
今や、多くのアフィサイトで素人のライターが書いた未検証のデイトレに関する記事が溢れています。
また、ネット上の株式投資コンテンツが有害だと思う理由の一つに、天才トレーダーにしかスポットが当たらないことが挙げられると思います。
これにも、ちゃんと背景があります。
私もいくつか仕事を引き受けたことがあるのですが、カリスマトレーダーや株で利益を挙げている人に関する記事を書く場合、既に有名な人について調べるのは圧倒的に楽なのです。
そのため、10万円を1億円にしたとか、再現性の小さいスーパートレーダーにばかりスポットが当たることになります。
そしてまた、多くの日本人は、投資には宝くじやパチンコ、競馬のようなリターンしか求めていません。
この点で、需要と供給が見事に合致しているのです。
仮想通貨やIPO投機の盛り上がりを見ると、日本人はエコノミックアニマルと揶揄されても仕方ないんじゃないかと思うことがあります。
私のような投機家はともかく、日本で本格的な金融教育を導入しようと頑張っている人達は、この日本人の現実に絶望していると思います。
今後、日本から少数の天才投資家やトレーダーが生まれることはあっても、全体の金融リテラシーが上がることはないと断言できます。
ちなみに、私がおすすめするのは、素人は一切株をやらないこと。……というのはさすがに寂しいんで、日経平均が大暴落して売られ過ぎになったときだけ出動するのがいいと思います。
書評:「Learn Better」
あらゆる物事の効率的な学習法について、科学的なエビデンスに基づいて書かれた本です。「上達の法則」を分厚くして、より具体的な方法論にスポットを当てた内容となっています。
トレードスキルを向上させる最も確かな方法は、売買日記を書いて見直すことに尽きます。
私の場合は、売買日記を見直してトレード史としてまとめ、その内容をこのサイトにトレード日記という形て書き残しておくのも大きな効果を実感しています。
また、私は売買日記を書いたら、その日の内容を再考するために1時間ほど散歩に出掛け、ついでにスーパーで翌日の昼食などを調達してくることが習慣になっています。
また、順張りのスイングトレードしか手掛けていなかったものが、逆張りやデイトレも手掛けるようになったことで、順張りについてより深い学びを得られるようにもなりました。
一つのルールだけを手掛けるのではなく、順張り・逆張り、デイトレ・スイングトレード、買い・空売りと逆方向のルールも手掛けることでより大きな学びを得ることができます。
このような具体的な学びの方法論も重要ですが、何よりも学習の質を上げるのはモチベーションです。
学ぶ目的、スキルを身に付ける目的がなければ、いくら効率的な方法論を実行しても深い学びにはなりません。
学びのモチベーションは、「それを学ぶことは、自分の人生においてどのような意味があるだろうか?」という主観的価値に裏付けされます。
トレードスキルを身に付けるとしても、「トレーダーとしての経験を積むことは自分の人生にどんな意味があるだろうか?」「トレードスキルを身に付けると、どんな未来に繋がっているだろうか?」を考えたときに、明確な意味や価値を見出だせていること(=ワクワクすること)が重要になります。
トレードスキルを身に付けることになろうがならまいが、「自分自身の人生において、トレードスキルを身に付ける意味はなんだろうか?」と熟考するのは重要なことです。
そして、私が思うに、トレードスキルを身に付けるべき人はあまり多くはないと思います。
よく言われる「老後資金のために資産運用云々」にしても、トレードスキルを身に付けるより、75歳まで好きな仕事をする方が確実です。
ちなみに、私にとって株式トレードは「一人の世界でできる仕事」であり「コンテンツ制作の時間が取れる仕事」であり「勉強で専門スキルを磨ける道」だったことなどが、トレードスキルを身に付ける大きな意味や価値でした。