トレードとポケモン 2


確率的思考以外にも、ポケモンとトレードには結構、共通点があります。

例えば、トレードにはトレーダー効果という現象がある。トレーダー効果というのは、勝てるルールがあったとして、そのルールが広まれば広まるほど、そのルールが機能しなくなっていく(勝てなくなっていく)というもの。

これ、ポケモンの環境でも全く同じことが起きている。

例えば、ガチ環境で勝率90%以上のパーティを構築したとする。もしもそのパーティをネット上に晒したりして、そのパーティを使う人が増えたら、バトル環境が変わってしまう。その結果、そのパーティは勝率90%以上ではなくなってしまうわけだ。だから、ポケモンで滅茶苦茶強いパーティというのは、絶対に出回らない(少なくともネット上には)。それが出回った時点で、環境が変わって機能しなくなってしまうからだ。現環境をカモに出来る滅茶苦茶強いパーティは、自分で構築するしかなくて、公にできない。ポケモンというゲームの性質上、そうなっている。

そして不思議なことに、トレードでもポケモンでも、勝てない人ほど勝てる情報(聖杯)を求める傾向にある。なぜか、勝率100%に近付けることこそが改善になると思われている。

だが、ポケモンで勝率100%のパーティを求めるとどうなるか……。そもそも、アズマオウがスカーフ巻いて「つのドリル」で特攻してきたら、どんなパーティだろうと2.7%で3タテされるわけで……。そんな滅茶苦茶なパーティに対応する必要はないのだ。

3年程前に、Wifiトレインで、ユキノオー、無限トド、シャンデラの3体を使っていたことがある。全員岩弱点。「ロックブラスト」を覚えているパルシェンが来たら、その時点で負けがほぼ確定。ポケモンのタイプ相性を知っていれば、誰でもその穴に気付ける。ほとんど冗談半分で組んでみたパーティだったんだが、統計を取ってみると、勝率9割超え。滅茶苦茶機能してるし、滅茶苦茶つええ!パルシェンが来たら終わるが、それ以外にはほぼ全勝だったからだ。ガッサやラッキーやローブシンを組み込んで、誰が見ても穴がなさそうなパーティを構築しても、ランク7から10に上がるのは至難の業なのに、この穴があるパーティはいとも簡単にランク7→10を行き来してしまう(まあ、パルシェンが来たら3タテされるんだが……)。天敵がいたとしても、その天敵の出現率が高くなければ、トータルでは勝ててしまう。ネットで晒すと馬鹿にされるようなパーティが、統計を取ってみると、実はトータルでは勝率が高かったなんてことが普通に起きている。※1

ただ、トレードとポケモンとで違うのは、ポケモンの場合はガブリアスで勝とうがフライゴンで勝とうが1勝は1勝でしかないんだが、トレードの場合は違うということ。この点で考えると、使用パーティによってスコアが変わるドラクエモンスターズの方が、トレードに近いのかな?

 

※1
シャンデラを代えて、岩弱点の穴を埋めれば、更に勝率が上がったのでは?と思うかもしれない。だが、シャンデラ以外にすると勝率が劇的に下がるのである。パルシェンには対応できるようになるが、それ以上に落とすバトルが多くなってしまう。つまり、岩弱点というデメリットよりも、パーティ全体の相乗効果の方が圧倒的に大きいということ。